ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
でも、北川さんは俺のかっこいいところを
見てはくれなかった。
俺の手から引きはがして、
自分で運んでしまったのだ。
ありえない!
この俺、ハイスぺ男子、加瀬大和が
こんなにも女の子にかわされるなんて!
ご飯の誘いも
頼れる男子アピールも、
手伝うアピールも、
当たらない!三振かよ!
「あのさ」
「あ、はい」
「俺、北川さんに嫌なことした?」
「え?」
ぶっこんだ質問に
北川さんは一瞬固まって目を泳がせた。
「えっと…もしかして、私、
加瀬さんに失礼な態度とってました?」
「いや、そういうことじゃないけど、
この前もご飯断られちゃったし、
俺が手伝うのを拒んでる気がして」
「誤解です!
加瀬さんが私に
嫌なことしたことなんてないです!
でも二人きりでご飯はいけないんです…
手伝うのを拒んでるんじゃなくて、
さっき言いましたけど、私、
何でも一人でできる人になりたいんです」
ってことは、俺は嫌われてるわけじゃないんだな。
はーあ…よかったー…
棚が完成して用がなくなったけど、
まだ北川さんと一緒にいたかった俺は、
ダメもとで夕ご飯をうちで食べないかと
誘ってみた。