ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
俺がそう言うと、北川さんは首を横に振った。
「…そうしたくなったら、自分でやります…」
「そっか…」
こういう時、なんと声をかけたら
いいんだろうか。
泣かないで?
でも、泣きたいのに我慢させたくない。
俺がいるから。
でも、北川さんとあいつの問題で、俺は部外者だよな。
あんたに関係ないじゃん、って思われないか?
次があるって。
こんなに深刻に傷ついてる人に、そんな軽い言葉かけられない。
信じてた人に裏切られるほど、
ショックなことはないからな。
どうしたらいい?
そして、頭はガンガンするし、
思考回路もあまり動いてない。
お腹も空いて気分も悪い。
「加瀬さん、私、バカですよね…」
北川さんが顔を上げた。
目も鼻も真っ赤にした大好きな女の子の泣き顔を見た時、
すごく愛おしくなって……
俺は手をそっと北川さんの泣き顔に添え、
そのまま優しくキスをした。
「……?」
「……あ」