ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
「か、加瀬さん…
私、本当にごめんなさい。
でも、そういう噂とかもあって…
加瀬さんってすごい経験豊富とか…」
なんだそれ。
「わかったからもう行けよ。
それ、食べるんだろ」
道は空いたのに、
北川さんは給湯室から出ていかない。
「加瀬さん、怒ってる…」
「怒ってるってか、ショック。
俺が今まで北川さんにしてきたこと、
全部チャラく見えてたってことだよな」
「え、いや…
チャラいっていうか…
誰にでもこうなのかなって…」
「誰にでもじゃない。
北川さんだけ」
「…え?」
北川さんはやっと俺と目を合わせた。
いつもみたいににこっとはしない。
真剣な眼差し。
「……じゃあ、私、もしかして…
今まで加瀬さんに、
失礼な態度とってましたよね…」
「何が?」