ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない



「…ごめんなさい。
その通りです。
私、噂とか信じて、
自分で確かめようとしなかった。

人ってなんで噂を信じてしまうんですかね。
目には見えない物なのに。
何を根拠に信じてしまうのでしょうか」

また、深いこと言い始めた。
よかった。いつも通りだ。

「俺は根拠のない噂は信じないけどな。
まぁ、噂って確かにいつも存在してるけど、
それを信じるか信じないかは
人それぞれじゃない?」


北川さんは頷いた。

もう、大丈夫だよな。


「加瀬さん……」
「ん?」
「私、加瀬さんがいなかったら、
今頃悲しみにうちひしがれて、
家でミイラになってたかもです。
だから、あの…昨日は、
ありがとうございました」

俺は北川さんの頭に、
ポンっと手を置く。

「俺のこと頼ってくれたの、
嬉しかった」


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