ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない

家に着くと急いでケーキ作りに取りかかる。

「うわぁあ。いつもクールな俺が、
こんなに慌ててケーキを焼くなんて。
北川さんに見られなくてよかった」

ケーキをオーブンに放り込むと、
テーブルの準備。

赤いテーブルクロスを敷き、
真ん中にはガラスに入った
大きめのキャンドルの2つと
赤いリボンを付けたグリーン、松ぼっくりを並べ、
お皿の上には赤い布のテーブルナプキンを
白いリボンで縛って置く。

お皿はいつも使ってるその辺で買った無地の白だけど
ナイフやフォーク、グラスはフランス製のいいのをそろえた。

やばい、もう時間になる!

急いで服を着替え、髪を整える。
香水はいつもよりいいやつにする。

ケーキは焼けた。
冷めるまでキャンドルに火をつけて、
サラダとスープを準備しておく。

これ完全に、どっかの高級レストランだな。
我ながらこの出来、素晴らしいと思う!

部屋の中と料理を見て、
俺は自分がハイスぺ男子だと改めて実感した。

ピンポーン…

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