ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
「はぁ…
ほんとにほんとに美味しいお料理でしたー…
私幸せです…
ここ数年のラッキーを、
今日で全部使い果たした気がします」
「まだ、終わってないよ」
「?」
俺は冷蔵庫から、ケーキを取り出す。
「えー!買ってきてくださったんですか?! 」
「いや、俺が作った」
「え?!こ、これ…加瀬さんが?!」
どうだ、信じられないだろ。
北川さんの目の前にケーキを置くと、
彼女は興奮した様子で、
写真を撮り始めた。
「このクリームの塗りかた、
素人じゃないです!」
すごく驚いてる。かわいい。
「イチゴもすごくきれいでおいしそう!」
まさかこのクリームを手に入れるために、
俺が隣街まで車を走らせたなんて
知らずに。
「切り分けていい?」
「あ、はい!」