ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない


でも、このハイスペでモテモテ男子、
加瀬大和は、
酔った女の子に手を出すなんて
ゲスなまねはしない…
いや、北川さんの前では
しないように耐えてるという言い方が正しい。

だらーっとする北川さんの手を引いて
彼女の部屋まで連れていった。
そのまま、ソファーに座らせて、
俺はその前にひざまずく。


「今日はほんとにありがとう。
俺、何でも器用にできるから、
人をがっかりさせたことなんてなくて、
今日すごく落ち込んでた。
でも、北川さんと居れたから、
そんなの全部忘れて、
また明日からがんばろうって
思えた…」

ってきいてないよな。

「ごちそうさまでしたー!
へへっ」
「お風呂は酔いがさめてからにしなよ。
危ないから」
「はーい!」

俺は北川さん家のドアをそっと閉めた。

はぁ…耐えた…

俺、もうちょっと飲んでたら
理性ふっとんでたかも。
ハイスぺ男子がゲス男子になるところだった

危なかった。

北川さんと二人きりであんなに
お酒を飲むのは危険だ…。
もう、やめよう。


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