ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない


「いや…いませんけど…」

あまりしつこくすると俺のカッコよさが消えるから、
この辺で引き下がることにした。  

でも、まったくもって意味がわからない。



その日は放心状態でぼうっとしてしまった。
だから、仕事の休憩中、自販機でコーヒーを買ったつもりが
ミックスジュースを押してしまった。
俺の恋とは正反対にすごく甘かった。
多分人生で2回くらいしか飲んだことないけど、結構おいしんだな。


「あー、加瀬さんねー」

すぐ近くで誰かが俺について話してる。

「超絶イケメンなんだけどさー   
中身がないんだよね」
「わかるわかる。飲み会とかで話してみると、
話が薄っぺらいんだよ。
イケメンで、ハイスペックなんだけど、彼氏にはしたくねーな」
「そそそ、目の保養」
「鑑賞のみ」
「あはははは」


は?中身がない?薄っぺらい?
俺が?

もしかして、北川さんに断られたのは、
これが原因なのか?





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