ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
「はい」
「前は嫌がってたじゃん」
「二人でお店に食べに行くのは
デートじゃないですか…
それはちょっと嫌なんです…
でも、これは、隣人と食事してる
だけなので」
「じゃあ、俺は恋愛対象じゃなくて
ただの隣人ってことな」
「すみません…
ひどいこと言ってると思うのですが、
そうです」
その言葉がサクッと心に刺さった。
ちょっと痛い。
そして、北川さんがすごく申し訳なさそうな顔をしたから
俺はこの話を持ち出したことを後悔した。
せっかく楽しい食事のはずだったのに。
気まずい空気が流れてる。
「すみません、やっぱりただの隣人では
ないです…」
「え?」
「多分、家族の次に頼れる人って感じです」
ドキンッと心臓がジャンプした。
「なんでもできちゃうし、
それなのに、
私みたいにできない人を
絶対バカにしたりしなくて、
嫌な顔せず、手伝ってくれる」