ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
「私、加瀬さんみたいに
一人で何でもできる人になりたいんです。
でも、やっぱり難しいこともあって…
そういうことに出くわした時、
一番に頭に浮かぶのは
加瀬さんなんです。
でも、すぐに頼りたくなくて、
一人でやってみるんですけども、
数時間も無駄にしたりします。はは」
いつもチヤホヤされる俺は、
よく女子から、
イケメン、ハイスペック、かっこいい、
と一言で言われる。
確かに嬉しいけど、そういう言葉は
きれいにラッピングされてるけど、
中身の入ってないプレゼント箱みたいだ。
でも、北川さんの言葉は、
外見は素朴だけど、中身の詰まった、
重いプレゼント箱だ。
「そういうこと言われると、
期待するじゃん」
「思わせぶりみたいな感じだったら
すみません!
でも、ただの隣人とこんな風に
ご飯食べたりしないって
言いたかったんです」