ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
「んー…」
そんなこと考えたこともなくて、
何も考えつかないし、
特に意見もなかった。
でも、なぜか、かっこいい回答を
しようとも思わなかった。
北川さんに、ハイスペ男子の
イケてる回答なんてしても、
意味がないと思った。
この子は多分、
人をそういうところで評価してない。
だから、俺に、あぁいうことを
言ってくれたんだ。
「そういうのがあれば、
人との関係って、もっとうまくいくように
なるかもな」
なんとか引き出した答えに、
北川さんは目を輝かせた。
「そうなんですよ!
でも、自分の嫌な部分を見るのって、
勇気がいりません?」
「そうだな」
「でしょう?!だから、もし、
本当にこの鏡があったら──……」
俺は目を輝かせて、
深い話をする北川さんを
じっと見つめてあることに気付いた。