ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
第四章
次の日から俺は、
北川さんのように、
物事を深く考えてみようと心掛けた。
今まで気にもしなかった、
町ですれちがう人、
店の看板、植木、雲の動き。
よく見ると色々考えることがある。
この人はなんでこんなことをしてるのか、
この店はおいしそうだとか、
紅葉してるとか、
今日は風が強いとか。
「おはよう、北川さん」
「おはようございます」
俺は職場のエレベーターで、
声をかけた。