ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
「ん?」
俺は一瞬思考回路が停止した。
ベッドの中で?
一緒にって言った?
「お互いお風呂に入って、寝る準備して、
ベッドに入ったら電話して、
同じタイミングで映画を再生させて、
電話は切らずにそのまま一緒に観るんです!
で、お互いに思うことをコメントしながら
観ていくんですよ」
「あー」
それぞれの家で、電話しながら
同じ映画を観ようということか。
一瞬何かを期待したけど、
そりゃそうだな。
北川さんがやりたいことなら、
断る理由はない。
俺たちは今日は残業せず、
さっさと帰ると約束してエレベーターを降りた。
北川さんは彼女じゃない。
北川さんが俺を恋愛対象としてみてないのもわかった。
でも、前よりもっと、
北川さんとの距離が縮まった気がする。