ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
絶対かわいい。
一緒にいなくてよかった。
映画観るどころじゃなくなるだろうから。
「髪乾かした?」
「いえ。でも大丈夫です」
「風邪ひくから乾かしておいで」
夏ならいいけど、もう寒くなってきたしな。
「じゃあ後でかけなおします。
すみません」
「いいよ、このままで」
その後、北川さんのドライヤーの
ブーンという音を聴きながら、
目を閉じてベッドに横になって想像した。
パジャマを着て熱風に当たりながら、
髪をなびかせる北川さんを。
そして、彼女はその壁の向こうにいるんだ。
「加瀬さん、いますか?」