ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
店員に案内され、
二人はちょうど俺が覗きこまないと
見えない位置にあるテーブルについた。
「お待たせいたしましたっ」
「どうも」
ホール係のちょっと派手めの女の子が、
顔を赤らめて食後のコーヒーを持ってきた。
「あ、あの…いきなりなんですけどぉ…
彼女とかいますか…?」
「いえ」
俺はさらっと答えて、
楽しそうに笑いながらメニューを広げる
さっきの二人をじっと見つめた。
なんで…
なんで北川さんが男と二人でいるんだ!!!
「よかったら連絡先教えてもらえませんかぁ?
インスタでもいいんでぇ」
「すみません。
SNSやってないんで」
あぁ、もう、こんな時にナンパとかやめろー。
こっちは今大変なんだ!
北川さんが、会話も楽しいハイスペ男子を差しおいて、
俺の知らない男と、
デートらしいことしてんだ!
緊急事態なんだよ!