ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
「でも一人はちょっと不安だし、
実際こうやって
加瀬さんに助けて頂いて情けないです…
ドライバーを握りしめて、
重い板を見つめながら、
自立ってなんだろう…
とか考えていたんです。
私はこうして親から自立しようと
家を出たわけですけども、
この棚を完成させられない時点で、
自立できてないだろうって…」
「あー……んー…
なるほど……」
と相槌をうちながら、ちょっと手を止めた。
北川さんが何か深そうなことを言い始めたので、
ちゃんと聞きたかった。
「なんでも一人でできなきゃ、
自立じゃないと思うんです。
でも、人間って一人じゃ生きられないじゃないですか。
じゃあ、結局自立って何なんでしょう…
加瀬さんは自立って何だと思いますか?」
「んー……」
って……