ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
俺はついに、机を思いきり叩いてしまった。
食器が揺れて、カチャンっと音が鳴る。
彼はびくっと飛び上がった。
周りの客が何だろうと振り返った。
目立つのはまずい。
俺は大きな声が出ないように、
彼の耳元で言ってやった。
「つまり、体だけか。
恋人にもしないし、もちろん結婚する気もない。
でも、北川さんは自分のことが好きだから、
好きにできるわけだ。
ふざけんなよ。
も一回言うけど、北川さんが傷つかない方法で、
とっとと彼女の前から消えろ」
「……」
そのまま、俺はお金だけ置いて店を出た。
こんなにキレたの何年ぶりだろう。
名前も知らない人に、いきなりあれは、
失礼な態度だったかもしれないけど、
ほんとに許せない。
北川さんのかわいい笑顔を守りたいから。