ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
「クリスマスツリー」
「ですよね!!」
北川さんは興奮気味にそう言うと、
ツリーの前に座り込んだ。
「うわ~いいな~」
「飾り付け、したい?」
「はい!」
俺は実家から送ってもらった、
飾りの入った箱をクローゼットの中から
引っ張り出した。
「えー!すごいたくさんある!」
「昔ドイツに住んでた時に、毎年少しずつ集めてた」
「ドイツの!じゃあ、本場の飾りって感じですね」
俺は包装紙をはがして、ツリーを
窓際に立てた。
「毎年飾ってるんですか?」
「いや、一人暮らししてからはしてない」
「え?じゃあ、今年はなんで?」
俺はLEDライトをコンセントにつなぎながら言った。
「北川さんと、飾り付けしたくて」