もう一度、重なる手

「ここも、ちょっと痣になってるね」

 頬を指で撫でられて、ドキリと心臓が鳴った。そのまま、おもむろに顔を寄せてきたアツくんの行動の意味を察して、ドキドキしながら目を閉じる。

 だけどアツくんの唇が触れた場所は、私のおでこだった。


「ほら、もう寝ておいで」

 目を開けると、アツくんが子どもにするみたいに私の頭を撫でてくる。

 可愛いって言ってくれたのは、やっぱり妹としてって意味なのかな。

 結局アツくんの気持ちは確かめられないまま、私はロフトのベッドで眠りについた。

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