もう一度、重なる手
「フミは、昔も今も可愛いよ。俺にとっては何にも代えられないくらいに大事」
アツくんの言葉が、私の胸と鼓膜を震わせる。
ドキドキしながら見上げると、アツくんが誰が見てもはっきりとわかるくらいに愛おしそうな目で私のことを見つめてきた。
「ずっと、大事な妹みたいな存在だって思ってたんだ。でもこの頃は、フミがそばにいると触れたいし、抱きしめたい。今だって、フミが可愛すぎて、本当はめちゃくちゃにキスしたい」
私の髪を梳いていたアツくんの指が、そっと私の頬に触れる。その指先の温度が想像以上に熱かった。
「フミに再会したあと、少しずつ変化してる自分の気持ちに気付かないフリをしてたけど……。キスしたいなんて、これってもう、《妹》に対しての感情じゃないよな」
「アツくん、それって……」
「フミが好きだよ。キスしていい……?」
蕩けそうな甘い声に、小さく頷く。
次の瞬間、アツくんの唇が少しぎこちなく私の唇に触れる。
だけど、アツくんが躊躇いを見せたのは一瞬だけで。一度触れてしまうと、アツくんのキスは、私の全てを飲み込んでしまいそうなほどに激しくなった。
吸い付く唇が、咥内を掻き乱す舌が、燃えそうに熱い。
私の手の指に指を絡ませて、ベッドに押さえ込んでくるアツくんからは、私の知らない男の獰猛さが見え隠れしていて。それが少し怖いのに、心臓が壊れそうなほどにドキドキもする。