もう一度、重なる手
ぎゅっと縋り付くように抱き付くと、アツくんがため息を吐く。
「ほんとうに、どこでそんな誘惑の仕方覚えたの? フミのそばにいられなかった十四年間の空白が悔やまれるよ」
ふっと苦笑いを浮かべながら、アツくんが私の背中に腕を回して抱きしめてくれる。
「離れたくないって思うのは、ずっとアツくんだけだよ……。今日は、朝までそばにいてくれる?」
「フミが望むなら」
私のブラウスの下にするりと手を忍ばせてきたアツくんの瞳が、蠱惑的にゆらめいた。
お腹のあたりをゆっくりと下から上へと撫で上げるアツくんの指に身を捩らせると、彼がふっと目を細める。
その表情に、たまらなくぎゅっと胸が詰まって。頭をあげると、自ら彼に口付けた。
「好き……」
つぶやいた言葉は、すぐさま落ちてきたアツくんの唇に飲み込まれる。
「俺も好きだよ」
耳元でささやかれた甘い声にゾクリと震える私の身体を、アツくんがそっとシーツの波に沈めた。