もう一度、重なる手
夕食を食べてお風呂に入ったあと、私とアツくんはリビングのソファーに並んで座ってテレビをつけた。
「あ、そうだ。フミが見たいって言ってた映画、視聴できるようになってたよ」
アツくんがそう言って、テレビの画面を地上波から登録している動画配信サービスのホーム画面に切り替える。
アツくんが選んでくれたのは、以前、何気ない会話で私が「見てみたい」と口にした洋画だった。
「今から見る?」
「うん」
アツくんの肩にすり寄るように頭を寄せて頷くと、彼がふふっと笑って映画を再生してくれる。
映画の本編が始まると、背中の後ろにアツくんの腕が回ってきて、肩に預けた頭を優しく撫でてくれた。
そのまま頭の上に置かれたアツくんの手が、私の髪を撫でたり、梳いたりする。その触れ方が、とても心地よかった。
アツくんの隣でくっついて髪を撫でられながら、テレビ画面の字幕を追っているうちに、だんだんと瞼が重たくなってくる。
映画の中盤で、ついコクリと頭を揺らすと、「眠い?」と耳元でアツくんの囁く声がした。