もう一度、重なる手
翔吾くんの言う通りにアツくんに紹介する約束を取り付けたし、翔吾くんに疑われるような発言もしなかった。
「ちゃんと電話したよ?」
確かめるように言うと、「聞いてたよ」と翔吾くんの声が返ってくる。
アツくんと私の会話には、疑われるようなことは何もなかったはずだ。
それなのに何が不安なのか、翔吾くんは私の首の後ろに手を回して押さえつけるようにキスをしてきた。
薄く開いた唇の隙間から乱暴に押し入ってきた翔吾くんの舌が、私の舌を絡めとる。
そのまま私は、少し前まで翔吾くんが座っていたビーズクッションに背中から押し倒された。