この胸が痛むのは
第1話 プロローグ~?side
アシュフォード王弟殿下はとてもお優しいひとです。
それはわかっています。
初めてお会いした王城で。
私はほんの9歳の子供でしたが、この方の優しさは本物だとわかったのです。
誰もがそうお認めになるアシュフォード殿下の
紫の瞳が。
射抜くように、私を見つめています。
「これは……一体どういうつもりだ?」
あぁ、今この場で。
あの日から初めて貴方は、私を見てくださって
いる。
姉を喪ってしまったあの日から……初めて。
私自身を貴方は見てくださっている。
そう気付いて、私は気分が高揚しました。
自然と、喜びに我知らず微笑んでさえいたので
しょう。
それを見逃さなかったアシュフォード殿下の声音は、今まで聞いたことがないような低く、冷たいものでした。
「アグネス! 何故嗤っている?
それは私を愚弄している、と受け取っていいのだな?」
それはわかっています。
初めてお会いした王城で。
私はほんの9歳の子供でしたが、この方の優しさは本物だとわかったのです。
誰もがそうお認めになるアシュフォード殿下の
紫の瞳が。
射抜くように、私を見つめています。
「これは……一体どういうつもりだ?」
あぁ、今この場で。
あの日から初めて貴方は、私を見てくださって
いる。
姉を喪ってしまったあの日から……初めて。
私自身を貴方は見てくださっている。
そう気付いて、私は気分が高揚しました。
自然と、喜びに我知らず微笑んでさえいたので
しょう。
それを見逃さなかったアシュフォード殿下の声音は、今まで聞いたことがないような低く、冷たいものでした。
「アグネス! 何故嗤っている?
それは私を愚弄している、と受け取っていいのだな?」
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