この胸が痛むのは
夜会があった週末明け月曜日の昼休み、学園で
クラリスからアグネスが侯爵家に戻った、と聞いた。
俺からの手紙を渡すと、それを何度も読み返したアグネスは帰ります、と微笑んだ。
「あの子の笑顔を本当に久し振りに見ました。
帰るなり、料理長にクッキーの相談をしていました」
そうクラリスから聞かされて。
帰りに寄って、顔だけでも見たいのだが、と言ってその日の内にアグネスと会った。
久し振りに会えたアグネスは
『新作クッキーの練習中なので、次に会う時に
お渡ししますね』
と笑顔で言ってくれたので、週末にアールを連れてくるからねと、約束をした。
慌ただしい中、アグネス宛に週末の約束を守れなくてごめん、と手紙に綴り、スローン侯爵の執務室に届けさせた。
彼女に対しては連絡を怠らない、と決めたからだ。
俺が王都に戻ったのは、10日後。
確かに俺の手紙をアグネスは受け取って納得していた、とクラリスに聞いたのに。
その間に、再びアグネスの笑顔が消えてしまったのを俺は知らなかった。
クラリスからアグネスが侯爵家に戻った、と聞いた。
俺からの手紙を渡すと、それを何度も読み返したアグネスは帰ります、と微笑んだ。
「あの子の笑顔を本当に久し振りに見ました。
帰るなり、料理長にクッキーの相談をしていました」
そうクラリスから聞かされて。
帰りに寄って、顔だけでも見たいのだが、と言ってその日の内にアグネスと会った。
久し振りに会えたアグネスは
『新作クッキーの練習中なので、次に会う時に
お渡ししますね』
と笑顔で言ってくれたので、週末にアールを連れてくるからねと、約束をした。
慌ただしい中、アグネス宛に週末の約束を守れなくてごめん、と手紙に綴り、スローン侯爵の執務室に届けさせた。
彼女に対しては連絡を怠らない、と決めたからだ。
俺が王都に戻ったのは、10日後。
確かに俺の手紙をアグネスは受け取って納得していた、とクラリスに聞いたのに。
その間に、再びアグネスの笑顔が消えてしまったのを俺は知らなかった。