この胸が痛むのは
『頭が痛いと、部屋から出ないようにしよう』
自衛手段はそれしかない、と思いました。
滑稽なのは、それでもまだ『お腹が痛い』なんて殿下には嘘でも言いたくない、と考えていた事です。
それで、前日に祖母が足を挫いて寝込んでいる、と聞いて急遽実家に戻ることになった母に付いて、祖母の家に行く事にしたのでした。
最初は1泊の予定でした。
けれど、ずるずると……母方の祖母はとても私に優しくて。
母を育てていた頃は、厳しく接していたそうですが、私には殿下へのプレゼントを買うのに足りない分を、お小遣いとしてくれたり、甘えさせてくれました。
それ故、母がスローンの家に帰り、私だけが残っても嬉しそうでした。
「1泊の用意しか、していないのに」
「必要なものは買いに行くから、貴女だけ帰れば良いじゃないの」
私を連れ帰りたい母に、祖母はそう言ってくれました。
自衛手段はそれしかない、と思いました。
滑稽なのは、それでもまだ『お腹が痛い』なんて殿下には嘘でも言いたくない、と考えていた事です。
それで、前日に祖母が足を挫いて寝込んでいる、と聞いて急遽実家に戻ることになった母に付いて、祖母の家に行く事にしたのでした。
最初は1泊の予定でした。
けれど、ずるずると……母方の祖母はとても私に優しくて。
母を育てていた頃は、厳しく接していたそうですが、私には殿下へのプレゼントを買うのに足りない分を、お小遣いとしてくれたり、甘えさせてくれました。
それ故、母がスローンの家に帰り、私だけが残っても嬉しそうでした。
「1泊の用意しか、していないのに」
「必要なものは買いに行くから、貴女だけ帰れば良いじゃないの」
私を連れ帰りたい母に、祖母はそう言ってくれました。