この胸が痛むのは
そこには5年生のバージニア王女殿下を中心に、お茶会に参加されていたご令嬢方や初めて見る
4年生の方達も居て、私は10人近くの上級生達に囲まれてしまったのでした。


「アシュフォード殿下に何を言ったのか知らないけど、そのせいで王女殿下は王妃陛下にご注意
されたのよ」

グレイシー伯爵令嬢が憎々しげに言って。
誰かが『謝れ』と、言って。
その一言を皮切りに、周りから口々に
『謝れ』『舐めるな』等と言い出されて。


この場を仕切っているのはグレイシー伯爵令嬢でしたが、多分これにはバージニア王女殿下のご意向があっての事なのでしょう、とは思いました。
何故なら、グレイシー伯爵令嬢は何も言わない
王女殿下の方を何度も見ていたからです。


囲まれて文句を言われるだけなら、お昼休みが
終わるまで我慢しようと思っていたのですが。
初めて見る方から突き飛ばされて。
後ろによろめいた私を、背後にいた方がまた突いて。
前にふらふらと出た私は、膝を着きました。


「身体だけじゃなくて、態度もデカいのよ。
 最初から跪きなさいよ」

< 119 / 722 >

この作品をシェア

pagetop