この胸が痛むのは
立ち上がれないように両肩を上から押さえつけられてしまいました。
頭を上げると、目の前には腕組みをしたバージニア王女殿下が。
「初めてお茶会に参加する幼い子には、優しく
してあげないといけません、と言われたのよ。
私は貴女に優しくしたわよね?」
王女殿下は『幼い』の部分を強調してお話になったので、皆様はその箇所で一斉に嗤いました。
「お隣のリヨンには身体の大きなクジラの王女がいたの。
貴女にはバロウズのキリン令嬢と、名前を付けてあげる」
「……」
キリン令嬢、と周りから口々に罵られ嗤われても。
我慢、我慢と、自分を抑えていました。
私は父に似て大きいので、私を押さえつけている小柄な先輩方など、振り払える気がしていました。
それに周りを囲まれているけれど、あそこからなら逃げ出せる、と一際小柄な先輩を突き飛ばして逃げるイメージも固まっていました。
でも、それをしなかったのは今日逃げても、これからずっと狙われる、と確信していたからです。
それなら、ここで、この一回で終わるように。
王女殿下の気が済むまで。
多分、多分口だけ、手は出されない。
殴られたりはない。
私の身体に傷を付ければ、父が黙っていません。
頭を上げると、目の前には腕組みをしたバージニア王女殿下が。
「初めてお茶会に参加する幼い子には、優しく
してあげないといけません、と言われたのよ。
私は貴女に優しくしたわよね?」
王女殿下は『幼い』の部分を強調してお話になったので、皆様はその箇所で一斉に嗤いました。
「お隣のリヨンには身体の大きなクジラの王女がいたの。
貴女にはバロウズのキリン令嬢と、名前を付けてあげる」
「……」
キリン令嬢、と周りから口々に罵られ嗤われても。
我慢、我慢と、自分を抑えていました。
私は父に似て大きいので、私を押さえつけている小柄な先輩方など、振り払える気がしていました。
それに周りを囲まれているけれど、あそこからなら逃げ出せる、と一際小柄な先輩を突き飛ばして逃げるイメージも固まっていました。
でも、それをしなかったのは今日逃げても、これからずっと狙われる、と確信していたからです。
それなら、ここで、この一回で終わるように。
王女殿下の気が済むまで。
多分、多分口だけ、手は出されない。
殴られたりはない。
私の身体に傷を付ければ、父が黙っていません。