この胸が痛むのは
「私の娘は12歳です、今学校へ行っています。
彼女が帰ってきたら、遊びますか?」
「はい、遊びます、彼女の名前を教えてください」
バロウズでは夏休みが始まって1ヶ月近くになるのに、こちらでは夏が涼しく、冬が長いので、11月まで学校があり、翌年の3月から新学年が始まるのです。
これもストロノーヴァ先生に教えていただいていた事でした。
「娘の名前はアンナリーエですの、少しおませさんなんですけれど、お嬢様に仲良くしていただいてもいいのでしょうか?」
女将さんのリンゼイさんが心配そうに祖母に尋ねました。
リンゼイさんは明るい茶色の髪に優しそうな青い瞳の綺麗な女性で、女将さんというよりは女主人の方がぴったりなのに、トルラキアでは男性にしか主人という名称を使用しないのだそうです。
姉からは何故かこの国の情報を教えて、と言われていて。
これは絶対に教えてあげなくては、と思いました。
姉は男だから、女だから、というお話になると
嫌そうな顔をするのです。
きっと腹の立つ事が多いかもしれないから、
トルラキアにだけは行かない方がいいよ、と教えてあげようと思いました。
彼女が帰ってきたら、遊びますか?」
「はい、遊びます、彼女の名前を教えてください」
バロウズでは夏休みが始まって1ヶ月近くになるのに、こちらでは夏が涼しく、冬が長いので、11月まで学校があり、翌年の3月から新学年が始まるのです。
これもストロノーヴァ先生に教えていただいていた事でした。
「娘の名前はアンナリーエですの、少しおませさんなんですけれど、お嬢様に仲良くしていただいてもいいのでしょうか?」
女将さんのリンゼイさんが心配そうに祖母に尋ねました。
リンゼイさんは明るい茶色の髪に優しそうな青い瞳の綺麗な女性で、女将さんというよりは女主人の方がぴったりなのに、トルラキアでは男性にしか主人という名称を使用しないのだそうです。
姉からは何故かこの国の情報を教えて、と言われていて。
これは絶対に教えてあげなくては、と思いました。
姉は男だから、女だから、というお話になると
嫌そうな顔をするのです。
きっと腹の立つ事が多いかもしれないから、
トルラキアにだけは行かない方がいいよ、と教えてあげようと思いました。