この胸が痛むのは
丁寧に頭を下げて挨拶をする美少女に、祖母は
嬉しそうに手招きをしました。


「ごきげんよう、レディ、私の孫と仲良くして いただけるかしら?」

「奥様、お嬢様、私こそどうぞよろしくお願い
します」

リンゼイさんが正しく教えておられたようで、
アンナリーエは完璧な発音で、バロウズの言葉を話したので、私達全員の心を掴みました。

ベイシス夫人などは、
『シュトウブさんを解雇して、彼女をガイドにしましょう』なんて、酷い事を仰られていましたが、夫人が本当は彼を可愛がっている事は周知の事実でしたので、皆聞き流していました。


「アグネス・スローンです、よろしくお願いします」

そう言って、簡単なカーテシーを私が披露するとアンナリーエが教えて、と頼んできて。
私達は直ぐに仲良くなれたのです。

彼女に心許した私は、祖母に次いで2人目の。
心の奥にしまい込んだ初恋の話を。
打ち明けた2人目に、リーエを選んだのでした。


 ◇◇◇


直ぐに親しくなった私達ですが、本当に仲良くなったのは、お互いの恋の話を打ち明けあってからでした。
ですが、お相手が母国の第3王子だとは口に出せなくて、公園で知り合ったフォード様、という事にしていました。
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