この胸が痛むのは
第27話 アシュフォードside
アグネスの笑顔が消えた。
文字通り消えた。
全く笑わなくなったわけじゃない。
反対にずっと薄く笑っていて。
もしかして、これが、あの、レイが俺によく言う
『胡散臭くて心がこもっていない笑顔』なのだろうか。
そんなひどい笑顔を人に向けていた俺が、それを今返されている。
誰よりも大切に思っているアグネスにだ。
「アグネス嬢に会ってから、ずっとこの調子なんだ」
元気がない俺を心配してくれているのかも知れないが、その割に軽い調子で、レイがクラリスに
説明する。
学園の昼休み。
あの夜会が終わり、俺とレイはクラリスとランチを一緒に食べなくなっていたが、たまに3人で
中庭でくだらない話をしている。
この学園の敷地内にある初等部もやはり昼休みで。
アグネスはどんな風に過ごしているんだろうか。
友人達の前でなら、ちゃんと笑えているのだろうか。
家族の前では?
そう思ったけれど、目の前のクラリスには尋ねない。
確かにコイツは鋭いところもあるけれど、基本的に鈍感だからな、俺も人の事は言えないが。
「どう見ても盛り上がってなかったと、プレストンから聞きました」
文字通り消えた。
全く笑わなくなったわけじゃない。
反対にずっと薄く笑っていて。
もしかして、これが、あの、レイが俺によく言う
『胡散臭くて心がこもっていない笑顔』なのだろうか。
そんなひどい笑顔を人に向けていた俺が、それを今返されている。
誰よりも大切に思っているアグネスにだ。
「アグネス嬢に会ってから、ずっとこの調子なんだ」
元気がない俺を心配してくれているのかも知れないが、その割に軽い調子で、レイがクラリスに
説明する。
学園の昼休み。
あの夜会が終わり、俺とレイはクラリスとランチを一緒に食べなくなっていたが、たまに3人で
中庭でくだらない話をしている。
この学園の敷地内にある初等部もやはり昼休みで。
アグネスはどんな風に過ごしているんだろうか。
友人達の前でなら、ちゃんと笑えているのだろうか。
家族の前では?
そう思ったけれど、目の前のクラリスには尋ねない。
確かにコイツは鋭いところもあるけれど、基本的に鈍感だからな、俺も人の事は言えないが。
「どう見ても盛り上がってなかったと、プレストンから聞きました」