この胸が痛むのは
「それはさすがに、口が過ぎるぞ」
「お気を悪くされたのなら、お詫び申し上げます。
……ですが、時間は無限にあるものではありませんから」
「……」
あまりの言い種に、さすがの俺も我慢出来ずに。
この無礼者に何か王族の威信を見せねば、と。
しかし情けないことに何も言えず。
そんな俺にそれだけ告げると、侯爵は礼をして。
背中を向けて行ってしまった。
その時は何を、侯爵が言いたかったのか、よくわからなかった。
この王城で、自分の力で、アグネスを守る。
そう決心したが、それは例えば……
もう乳母の言いなりにならない。
簡単に王太子を頼らない。
少なくとも自分に関するものは、自分の目で確認して人任せにしない。
それと……直ぐには思い付かないが、徐々に色々なものを身に付けていこう、だった。
しかし、侯爵は『何か』と言った。
俺が考えていた抽象的な(ぼんやりした) ものじゃなくて、具体的なものを言ってるんだと気付いた。
俺の力になる『何か』。
『何か』を得て、示せ。
「まぁさ、問題は数々あるだろうけど?
取り敢えず、目の前の難問をクリアしていこう」
レイの言う難問とは、学年末試験の事だ。
試験で首位を取る、侯爵が言いたいのはそんなことじゃない。
俺の武器になる何かを見つけないといけない。
時間は無限にはない。
「お気を悪くされたのなら、お詫び申し上げます。
……ですが、時間は無限にあるものではありませんから」
「……」
あまりの言い種に、さすがの俺も我慢出来ずに。
この無礼者に何か王族の威信を見せねば、と。
しかし情けないことに何も言えず。
そんな俺にそれだけ告げると、侯爵は礼をして。
背中を向けて行ってしまった。
その時は何を、侯爵が言いたかったのか、よくわからなかった。
この王城で、自分の力で、アグネスを守る。
そう決心したが、それは例えば……
もう乳母の言いなりにならない。
簡単に王太子を頼らない。
少なくとも自分に関するものは、自分の目で確認して人任せにしない。
それと……直ぐには思い付かないが、徐々に色々なものを身に付けていこう、だった。
しかし、侯爵は『何か』と言った。
俺が考えていた抽象的な(ぼんやりした) ものじゃなくて、具体的なものを言ってるんだと気付いた。
俺の力になる『何か』。
『何か』を得て、示せ。
「まぁさ、問題は数々あるだろうけど?
取り敢えず、目の前の難問をクリアしていこう」
レイの言う難問とは、学年末試験の事だ。
試験で首位を取る、侯爵が言いたいのはそんなことじゃない。
俺の武器になる何かを見つけないといけない。
時間は無限にはない。