この胸が痛むのは
「それは……そうだな、そうなる」
「想いが通じ合った後ならば、詩を贈ったり手作りだったり購入出来る物とは違う意味合いのものを贈り合うこともあるでしょうけれど……
アグネスはお金を借りて、あの贈り物を購入しようとしたのです」
「……そんな無理をさせるつもりは」
「存じています、殿下がお求めになったのではない、と。
でも、今回それを認めてしまえば、まだ子供なのに来年再来年はどうなるの、と母は思ったんでしょう」
黙った俺に気遣って、レイが代わりに言う。
「それはわかるけれど、君のプレゼントにしたのは違うよね?」
「確かに仰る通りだと思います。
私も親交の無い殿下への贈り物を渡せと言われて、考えるのが面倒だな、と思って。
奪う形になってアグネスには申し訳ないことをして、泣かせてしまいました。
母が殿下に私を薦めようとして謀ったのは、本当に殿下に対しても不敬でした」
「想いが通じ合った後ならば、詩を贈ったり手作りだったり購入出来る物とは違う意味合いのものを贈り合うこともあるでしょうけれど……
アグネスはお金を借りて、あの贈り物を購入しようとしたのです」
「……そんな無理をさせるつもりは」
「存じています、殿下がお求めになったのではない、と。
でも、今回それを認めてしまえば、まだ子供なのに来年再来年はどうなるの、と母は思ったんでしょう」
黙った俺に気遣って、レイが代わりに言う。
「それはわかるけれど、君のプレゼントにしたのは違うよね?」
「確かに仰る通りだと思います。
私も親交の無い殿下への贈り物を渡せと言われて、考えるのが面倒だな、と思って。
奪う形になってアグネスには申し訳ないことをして、泣かせてしまいました。
母が殿下に私を薦めようとして謀ったのは、本当に殿下に対しても不敬でした」