この胸が痛むのは
「1号はお兄ちゃんでしっかりしています」

「2号は少し要領がいい男の子、遅れてきても、ちゃんとおっぱいを貰っています」 

「3号も男の子で、遠慮がちで直ぐに2号に場所を譲ってしまうんです」

「4号は……」

「5号は……」



バックスの妊娠中から子犬を欲しいと仰る沢山の方からの申し込みがありました。
ウチには女の子を1匹だけ残すと決めていて、他の子達も皆貰われていくだろうからと、敢えてウチでは名前を付けないように父が決めたのでした。


「抱かせて貰うだけ、と思っていたけれど。
 やはり可愛いなぁ、連れて帰ったらダメだろうか?」


私が思っていた通り、殿下は子犬をご所望されました。


「そうですよね!この子達を抱いてしまったら、もう手離せないですよね!」

私がつい、前のめりで力説したので、殿下は笑っていらっしゃいました。


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