この胸が痛むのは
その手にはいつも何か贈り物を携えていて下さって。
小さなブーケや見た目も可愛らしいキャンディ。
リボンもよくいただきましたが、私の一番のお気に入りは初めて買っていただいた赤い組み紐でした。
「初等部には、高等部の兄弟がいる生徒がたくさん居るよね?
その子達から噂を聞かされるかも知れないけれど、それは本当じゃないから、何か言われたら俺にちゃんと話して欲しいんだ」
「噂、ですか?」
「君の姉上と俺についての噂が高等部で流れている。
レイとクラリス嬢が何度も否定しても、なかなか消えないんだ」
「……」
そう言えば、図書室でも、クラリスが殿下からいただいたブレスレットを見せつけていた、姉から聞いた、とグレイシー嬢が言っていました。
その件については、帰国してから姉から説明されていました。
『見せつけていた? グレイシーめ! あり得ないわね!』と吐き捨てるように言っていた姉を思い出しました。
小さなブーケや見た目も可愛らしいキャンディ。
リボンもよくいただきましたが、私の一番のお気に入りは初めて買っていただいた赤い組み紐でした。
「初等部には、高等部の兄弟がいる生徒がたくさん居るよね?
その子達から噂を聞かされるかも知れないけれど、それは本当じゃないから、何か言われたら俺にちゃんと話して欲しいんだ」
「噂、ですか?」
「君の姉上と俺についての噂が高等部で流れている。
レイとクラリス嬢が何度も否定しても、なかなか消えないんだ」
「……」
そう言えば、図書室でも、クラリスが殿下からいただいたブレスレットを見せつけていた、姉から聞いた、とグレイシー嬢が言っていました。
その件については、帰国してから姉から説明されていました。
『見せつけていた? グレイシーめ! あり得ないわね!』と吐き捨てるように言っていた姉を思い出しました。