この胸が痛むのは
丁度私もお会いして、早くお渡ししたいものがありました。
私は急ぎ部屋へ行き、制服のままそれを掴んで、階下へ降りました。
そこへ通りかかったメイドが美味しそうなカップケーキを捧げ持って歩いていたので、私は彼女を捕まえました。
「殿下がおいでになっているんでしょう?
私が持って行くわ! どちらでお待ちなの?」
彼女は急に現れた私に戸惑って、直ぐに返事が
出来ないようでした。
この家で働いている使用人達は、今では皆私と
殿下がお付き合いをしていることは知っている筈なのに、その反応はおかしなものでした。
何かが、ひたひたと私の中に染み込んでいく様な感覚でした。
「アシュフォード殿下は、誰と何処に居るの?」
「……温室に、クラリスお嬢様とです」
視線を微妙にずらす彼女を怯えさせたのだと気付いて。
私は明るい声を出しました。
「お姉様となら良かったわ。
また、お父様に何か言われてるのかと心配しちゃった」
私は急ぎ部屋へ行き、制服のままそれを掴んで、階下へ降りました。
そこへ通りかかったメイドが美味しそうなカップケーキを捧げ持って歩いていたので、私は彼女を捕まえました。
「殿下がおいでになっているんでしょう?
私が持って行くわ! どちらでお待ちなの?」
彼女は急に現れた私に戸惑って、直ぐに返事が
出来ないようでした。
この家で働いている使用人達は、今では皆私と
殿下がお付き合いをしていることは知っている筈なのに、その反応はおかしなものでした。
何かが、ひたひたと私の中に染み込んでいく様な感覚でした。
「アシュフォード殿下は、誰と何処に居るの?」
「……温室に、クラリスお嬢様とです」
視線を微妙にずらす彼女を怯えさせたのだと気付いて。
私は明るい声を出しました。
「お姉様となら良かったわ。
また、お父様に何か言われてるのかと心配しちゃった」