この胸が痛むのは
助かった、何だかんだ言っても、クラリスの方で対処はしてくれていたんだ。
使用人達にもアグネスに内緒だと口止めしてくれていたようだし、侯爵夫妻に伝わっていないのも助かった。
父や弟を後から思い出したように最後に付け加えているのが、意外なところで気遣いを見せるクラリスらしかった。


餞別をどんと上乗せしようと思う。
それをどんな形で持ち出すかは、俺よりしっかりしているクラリス本人が決めるだろう。
良かった、これでこっちは収まったか。
だが、あれからイライザ嬢は針の筵だったかもしれない。 
彼女には確認せずに申し訳ないことをしたから、そのフォローはしないといけない。

ギルには改めて頭を下げるか。
しばらくは気まずくなるだろうな。
まだまだ解決とまではいかないな。
自分で蒔いた種だ、自分で何とかしないといけない。
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