この胸が痛むのは
「えぇ……クラリス・スローン嬢でしたね。
本日はお母上の代理で?
侯爵夫人は体調でも崩されたのですか?」
「はい、母よりお詫びの書状を預かっております。
こちらをご覧くださいませ」
そう言って姉は、後ろに控えていた侍従に、手紙を預けました。
そして、それを殿下はお受け取りになり、目を通されていました。
その書状にしたためられている、姉を代理とした理由は嘘です!
殿下、お信じになってはいけません。
母は元気はありませんが、健康なんです!
そう言いたいのを我慢して。
「なるほど……ご無理をなさらないようにと、お伝えください」
殿下がクラリスにそう仰せになった時、姉が急に立ち上がりました。
その思いもよらない行動に、殿下の背後の護衛騎士様が咄嗟に腰の剣に手を掛けて、一気に緊張感が高まりました。
それなのに、恐れること無く姉はまたもやカーテシーを披露しながら、こう言いました。
「畏れ入ります、殿下。
その母からの書状に書かれている事は、真実ではございません」
本日はお母上の代理で?
侯爵夫人は体調でも崩されたのですか?」
「はい、母よりお詫びの書状を預かっております。
こちらをご覧くださいませ」
そう言って姉は、後ろに控えていた侍従に、手紙を預けました。
そして、それを殿下はお受け取りになり、目を通されていました。
その書状にしたためられている、姉を代理とした理由は嘘です!
殿下、お信じになってはいけません。
母は元気はありませんが、健康なんです!
そう言いたいのを我慢して。
「なるほど……ご無理をなさらないようにと、お伝えください」
殿下がクラリスにそう仰せになった時、姉が急に立ち上がりました。
その思いもよらない行動に、殿下の背後の護衛騎士様が咄嗟に腰の剣に手を掛けて、一気に緊張感が高まりました。
それなのに、恐れること無く姉はまたもやカーテシーを披露しながら、こう言いました。
「畏れ入ります、殿下。
その母からの書状に書かれている事は、真実ではございません」