この胸が痛むのは
議長がわざとヒラヒラと頭の上に、リストを上げて見せた。
すると、若い貴族が挙手をして。
「どうぞ、バーノン伯爵令息」
このバーノンも、王太子の仕込みだ。
この議会の打ち合わせを、昨日遅くまで議長を交えて行っていたのだろう。
普段は父親の伯爵が出席するのだが、本日は体調不良で嫡男が出席していた。
当然、それも王太子の指示だ。
伯爵なら、まずしないだろうと思われることも、若い息子ならするかもしれない。
例えば、ここで手を上げて口火を切る事とか。
「私の妹の名前もそのリストに乗っていることでしょう。
妹もずっと苦しんでいました!
私は何度も相談をされ、でも王女殿下に抗うのは難しく……。
ここで妹の罪を暴いていただけるのは救いでしかありません!」
先の貴族よりは演技がうまい。
確かにバーノンの妹はリストに載っていた。
本当に何度も相談されたかどうかはわからないが、彼は王太子から密かに協力を持ちかけられて、喜んで父親に体調不良になれと言ったのだ。
バーノン伯爵令息の言葉に、すかさず王太子が
感動したように言った。
「よく自分から話してくれた!
無理強いされたご令嬢に罪は問わない。
反対に謝罪させて欲しい」
すると、若い貴族が挙手をして。
「どうぞ、バーノン伯爵令息」
このバーノンも、王太子の仕込みだ。
この議会の打ち合わせを、昨日遅くまで議長を交えて行っていたのだろう。
普段は父親の伯爵が出席するのだが、本日は体調不良で嫡男が出席していた。
当然、それも王太子の指示だ。
伯爵なら、まずしないだろうと思われることも、若い息子ならするかもしれない。
例えば、ここで手を上げて口火を切る事とか。
「私の妹の名前もそのリストに乗っていることでしょう。
妹もずっと苦しんでいました!
私は何度も相談をされ、でも王女殿下に抗うのは難しく……。
ここで妹の罪を暴いていただけるのは救いでしかありません!」
先の貴族よりは演技がうまい。
確かにバーノンの妹はリストに載っていた。
本当に何度も相談されたかどうかはわからないが、彼は王太子から密かに協力を持ちかけられて、喜んで父親に体調不良になれと言ったのだ。
バーノン伯爵令息の言葉に、すかさず王太子が
感動したように言った。
「よく自分から話してくれた!
無理強いされたご令嬢に罪は問わない。
反対に謝罪させて欲しい」