この胸が痛むのは
普段は優しい演技で全てやり過ごす王太子が、いざちゃんと演技をしようとすると、鼻に付くのは何故なんだろう。
でも、その演技に、思わず手を上げる奴等が居る。
全部、リストに載っていた家門だ。
ここで国王陛下が口を挟んだ。
もっと手痛い目に合うのに。
「そのリスト等、誰が作ったのだ、馬鹿馬鹿しい。
そんなものが信用出来るか!」
仕込まれていない何人かも頷いている。
それに勇気を得た国王陛下は言葉を続ける。
「誰が作ったのか知らんが、ここでその教師の
名前を出せるんだろうな?」
議長が答える。
「リストに書かれている名前は、えーストロ、ストロノーバー?」
練習してないのか、肝心なところなのにちゃんと発音出来ていない。
仕方なく、王太子は国王陛下を見た。
「イシュトヴァーン・ミハン・ストロノーヴァ。
トルラキアの……その名前が、どれだけ信用に足るか、陛下は御存じですよね?」
顔を赤く染め、言葉を失くした国王陛下を『お連れするように』と、護衛騎士に王太子は告げて。
陛下は周囲を近衛に囲まれて、議会会場を後にした。
それを見ても、誰も抗議の声をあげなかった。
でも、その演技に、思わず手を上げる奴等が居る。
全部、リストに載っていた家門だ。
ここで国王陛下が口を挟んだ。
もっと手痛い目に合うのに。
「そのリスト等、誰が作ったのだ、馬鹿馬鹿しい。
そんなものが信用出来るか!」
仕込まれていない何人かも頷いている。
それに勇気を得た国王陛下は言葉を続ける。
「誰が作ったのか知らんが、ここでその教師の
名前を出せるんだろうな?」
議長が答える。
「リストに書かれている名前は、えーストロ、ストロノーバー?」
練習してないのか、肝心なところなのにちゃんと発音出来ていない。
仕方なく、王太子は国王陛下を見た。
「イシュトヴァーン・ミハン・ストロノーヴァ。
トルラキアの……その名前が、どれだけ信用に足るか、陛下は御存じですよね?」
顔を赤く染め、言葉を失くした国王陛下を『お連れするように』と、護衛騎士に王太子は告げて。
陛下は周囲を近衛に囲まれて、議会会場を後にした。
それを見ても、誰も抗議の声をあげなかった。