この胸が痛むのは
『手短に』そう、殿下は仰せになったのに。
姉はとうとうと話し、殿下はそれを聞いておられました。
私が父の前で感情をぶちまけたように、この場でも同様の真似をするとでも思ったのでしょうか?
そんなことをするつもりは一切ありませんでした。
『先手を打たれた』
私がひねくれているのかも知れません。
もう姉のする事を素直に受け取れないのです。
姉の口から紡がれる一連の出来事を聞きながら、自分の中に黒いものが生まれたのがわかりました。
「話はそれだけか?」
「……左様でございます」
殿下は侍従をお側に呼びました。
「本日のマーシャル夫人のご都合を聞きに行って欲しい。
時間があるようなら、こちらに出向いて昼食を御一緒しようとお誘いしてくれ。
私とアグネス・スローン侯爵令嬢との食事の席に付き添って欲しい、と伝えてな」
侍従は直ぐにサンルームを出ていきました。
それを見送って、次に背後の護衛騎士様にこう仰いました。
姉はとうとうと話し、殿下はそれを聞いておられました。
私が父の前で感情をぶちまけたように、この場でも同様の真似をするとでも思ったのでしょうか?
そんなことをするつもりは一切ありませんでした。
『先手を打たれた』
私がひねくれているのかも知れません。
もう姉のする事を素直に受け取れないのです。
姉の口から紡がれる一連の出来事を聞きながら、自分の中に黒いものが生まれたのがわかりました。
「話はそれだけか?」
「……左様でございます」
殿下は侍従をお側に呼びました。
「本日のマーシャル夫人のご都合を聞きに行って欲しい。
時間があるようなら、こちらに出向いて昼食を御一緒しようとお誘いしてくれ。
私とアグネス・スローン侯爵令嬢との食事の席に付き添って欲しい、と伝えてな」
侍従は直ぐにサンルームを出ていきました。
それを見送って、次に背後の護衛騎士様にこう仰いました。