この胸が痛むのは
「先触れ無しで構わない。
スローン侯爵の執務室に、こちらのご令嬢をお送りしろ。
理由として侯爵には、お前もさっき聞いた話を伝えればいい」
「畏まりました」
そして手を叩き、給仕達を内に呼びました。
「これならマーシャル夫人が来るまで、アグネス嬢とふたりきりだったとは言われないな?」
「失礼致します、お体に触れます」
そう仰りながら、護衛騎士様が跪いていた姉の腕を取り、立ち上がらせました。
「アグネス嬢から私に贈られるはずだった品は、テーブルの上に置いていくように」
「……次の間に控えております侍女に、そう申し付けておきます。
失礼致します……」
護衛騎士様に父の元へ連れていかれる姉は、私の方を見て頭を下げました。
その姿は本当に私に申し訳なく思っているようにも見えて。
私は混乱しました。
先手を打たれた等、私は穿ち過ぎなのでしょうか?
スローン侯爵の執務室に、こちらのご令嬢をお送りしろ。
理由として侯爵には、お前もさっき聞いた話を伝えればいい」
「畏まりました」
そして手を叩き、給仕達を内に呼びました。
「これならマーシャル夫人が来るまで、アグネス嬢とふたりきりだったとは言われないな?」
「失礼致します、お体に触れます」
そう仰りながら、護衛騎士様が跪いていた姉の腕を取り、立ち上がらせました。
「アグネス嬢から私に贈られるはずだった品は、テーブルの上に置いていくように」
「……次の間に控えております侍女に、そう申し付けておきます。
失礼致します……」
護衛騎士様に父の元へ連れていかれる姉は、私の方を見て頭を下げました。
その姿は本当に私に申し訳なく思っているようにも見えて。
私は混乱しました。
先手を打たれた等、私は穿ち過ぎなのでしょうか?