この胸が痛むのは
オルツォの事を詳しく聞きたいが、彼女から話してくれるのを待とう。
特別な想いがあるなら、話してくれるはずだ。

こうして横に並ぶと、3年で随分と変わったなと実感する。
身長も俺の胸ぐらいまでしかなかったのに、肩の辺りに頭が来る。
元々大柄と言っても、手足と首が長くほっそりしていた。
身長が伸び、女性らしい柔らかさも加わって、以前あったアンバランスさがなくなり、立ち姿は優美なラインになっていた。
幼さはすっかり見られなくなり、花開く直前の乙女に、以前とは違うときめきを覚えた。


挨拶が遅れてしまって、本当に申し訳ございません。
 リヨンでのお仕事、お疲れ様でした」

「ありがとう、そんなに疲れてはいない……つもりだったけれど。
 君に会えて、そう労って貰ったら、疲れていたのだと気付いたよ」


彼女が旅立つ前日に侯爵家で最後に会った時より
自然な笑顔にホッとした。
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