この胸が痛むのは
そう信じていたのに。
他にも気付く事があった。
……アグネスの事だ。
来年のデビュタント前後には正式に婚約したい、と何度も話した。
嫌われたり、それこそオルツォを想っている風でもないのに、その都度はぐらかされ。
やはり、その前には自分の罪を聞いて貰いたいと、あの事件の真相を打ち明けようとしても。
何故か彼女は例の発作を起こして、話は後回しになる。
これを何度か繰り返されて、さすがに鈍感な俺もおかしいと気付いたのだ。
発作については、祖母である前伯爵夫人に確認したが、彼女は驚いて知らないと答えた。
俺の前でだけ、あの症状が起こるのか?
アグネスは俺に対して、何らかの感情があり、それを伝えられなくて苦しんでいるのだろうか?
頼りになるあの人に話を聞いて貰いたかった。
あの人なら、正しい判断を下してくれる。
俺はストロノーヴァ公爵家に書状を出した。
◇◇◇
「お久しぶりですね、殿下」
俺を出迎えてくれたのは、確かにストロノーヴァ先生なのに、ストロノーヴァ先生と思えない男性だった。
他にも気付く事があった。
……アグネスの事だ。
来年のデビュタント前後には正式に婚約したい、と何度も話した。
嫌われたり、それこそオルツォを想っている風でもないのに、その都度はぐらかされ。
やはり、その前には自分の罪を聞いて貰いたいと、あの事件の真相を打ち明けようとしても。
何故か彼女は例の発作を起こして、話は後回しになる。
これを何度か繰り返されて、さすがに鈍感な俺もおかしいと気付いたのだ。
発作については、祖母である前伯爵夫人に確認したが、彼女は驚いて知らないと答えた。
俺の前でだけ、あの症状が起こるのか?
アグネスは俺に対して、何らかの感情があり、それを伝えられなくて苦しんでいるのだろうか?
頼りになるあの人に話を聞いて貰いたかった。
あの人なら、正しい判断を下してくれる。
俺はストロノーヴァ公爵家に書状を出した。
◇◇◇
「お久しぶりですね、殿下」
俺を出迎えてくれたのは、確かにストロノーヴァ先生なのに、ストロノーヴァ先生と思えない男性だった。