この胸が痛むのは
誰ひとりとして知り合いのいない学院生活が始まりました。
やはり私の金髪と青い目はこの国では珍しいのか、ジロジロと見られる程ではありませんが、
廊下等で追い越されると振り返られて2度見されてしまう事も多々ございました。

クラスメートとは全員と挨拶は交わすのですが、そこから話を広げてくださるご令嬢も2、3の決まった方達でしたので、少々淋しい日々でした。


その日は以前から調べてみたい事があって、私は中等部の図書室に来ていました。
バロウズの学園では図書室は特別教室棟にあり、初等部から高等部まで在籍している生徒全員が
利用する広いものでしたが、こちらでは中等部は中等部の校舎に図書室があって、自分の校舎の
図書室しか利用出来ない決まりとなっていました。
ですから、私の読みたい本が中等部図書室に無ければグラニドゥの王立図書館に行かねばなりません。

私の調べたい、読みたい本は果たして中等部生向けに有るのでしょうか……
おそらく無いのではないか、と思いつつ書架に並べられた背表紙を一冊ずつ辿っていきます。

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