この胸が痛むのは
ある日のお昼休み。
女子の先輩方から呼び出しがかかったのです。
『あぁ、まただ……』と、思いました。

また、何人かの先輩に囲まれて、生意気だの、
態度が大きいだの、言われるのです。
それを告げに来たクラスメートと一緒に、私は
呼び出された食堂へと行き。
その時におかしいな、とは思ったのです。
お昼休みの食堂の様な、人目の多い場所に呼び出されるのは初めてだったからです。
私はクラスメートのイルナ様に尋ねました。


「あの……食堂で?」

「うん? そうよ、ランチを食べながらお話しましょう、って。
 こちらが呼び出すのだから、と奢ってくださるそうなの」

ランチを奢ってくださるのなら、文句を言われてしまうのでは、ない?

私とイルナ様が食堂へ入っていきますと、既に
テーブルについていらっしゃった4人の先輩方がこちらに手を振ってきました。
テーブルに近付くと、皆様立ち上がってくださいました。


「はじめまして、スローン侯爵令嬢様。
 私はヴィーゼル・エリザベートと申します
 アグネス様とお呼びしてもよろしいですか?」

< 424 / 722 >

この作品をシェア

pagetop