この胸が痛むのは
バロウズへは14歳だった去年の秋に一度、帰国
しました。
私の旅券は留学用で2年に一度更新をしなくてはなりません。
それをクラリスの誕生日に合わせて戻りました。
帰国の前には、リーエに死人還りについて尋ねたかったのに、
彼女はネルシュくんを身籠っていました。
妊婦に向かって『死人』等、口にするのも憚られて。
春にオルツォ様のデビュタントでお会いしたストロノーヴァ先生には、既にクラリスが亡くなった事を伝えていたので、うまく誤魔化す自信がなくて会いにも行けませんでした。
どうすればいいのか知識の無いまま、クラリスの誕生日に姉の部屋で過ごしました。
この家の、この部屋で。
18だった母は姉を産み、その部屋はそのまま姉の部屋になった。
それは祖母から聞いていました。
生まれた時間に待っていたら、姉は還ってくるかもと、その時間を尋ねても、祖母への連絡は生まれた翌日だったそうです。
父さえも登城していたからと、はっきりした時間は知りません。
唯一立ち会って、生まれた時間を知っているであろう先代の祖母とは、葬儀以来没交渉になっていました。
しました。
私の旅券は留学用で2年に一度更新をしなくてはなりません。
それをクラリスの誕生日に合わせて戻りました。
帰国の前には、リーエに死人還りについて尋ねたかったのに、
彼女はネルシュくんを身籠っていました。
妊婦に向かって『死人』等、口にするのも憚られて。
春にオルツォ様のデビュタントでお会いしたストロノーヴァ先生には、既にクラリスが亡くなった事を伝えていたので、うまく誤魔化す自信がなくて会いにも行けませんでした。
どうすればいいのか知識の無いまま、クラリスの誕生日に姉の部屋で過ごしました。
この家の、この部屋で。
18だった母は姉を産み、その部屋はそのまま姉の部屋になった。
それは祖母から聞いていました。
生まれた時間に待っていたら、姉は還ってくるかもと、その時間を尋ねても、祖母への連絡は生まれた翌日だったそうです。
父さえも登城していたからと、はっきりした時間は知りません。
唯一立ち会って、生まれた時間を知っているであろう先代の祖母とは、葬儀以来没交渉になっていました。