この胸が痛むのは
広大な庭園に面した1月のテラスは肌寒いのかしらと思っていましたが、火を起こした焚き火台が多く設置されていて、それを囲むように並べられた屋外用の長椅子には膝掛けも用意されていました。
トルラキアの寒さに慣れた私には、バロウズの冬は厳しいものではありませんでした。
ガラスの両開き扉の向こうで両手にカクテルグラスを持ち、侍従のカラン・ワグナー様とお話になっている殿下が見えていました。
すると、それとは反対側の、私の座っている長椅子と反対側の出入り口からひとりの女性が出て来られました。
その方は一旦手前の長椅子に腰を掛けて、焚き火台に両手を当てられて暖を取っていらっしゃいました。
女性はしばらくこちらをご覧になっていて、ふわりと立ち上がり、私の方に近付いて来られました。
女性がテラスに出てこられた出入り口からはひとりの男性が出てきたので、最初は彼女を追いかけて来られたのかと思いました。
ですが、その方はそのまま扉に凭れられていて。
焚き火の炎の影が揺らめいて、男性のお顔はよく見えませんでした。
トルラキアの寒さに慣れた私には、バロウズの冬は厳しいものではありませんでした。
ガラスの両開き扉の向こうで両手にカクテルグラスを持ち、侍従のカラン・ワグナー様とお話になっている殿下が見えていました。
すると、それとは反対側の、私の座っている長椅子と反対側の出入り口からひとりの女性が出て来られました。
その方は一旦手前の長椅子に腰を掛けて、焚き火台に両手を当てられて暖を取っていらっしゃいました。
女性はしばらくこちらをご覧になっていて、ふわりと立ち上がり、私の方に近付いて来られました。
女性がテラスに出てこられた出入り口からはひとりの男性が出てきたので、最初は彼女を追いかけて来られたのかと思いました。
ですが、その方はそのまま扉に凭れられていて。
焚き火の炎の影が揺らめいて、男性のお顔はよく見えませんでした。