この胸が痛むのは
『妹から聞いていますか?』と、プレストンが
切り出した。
『あの、おかしな行動の意味は何か、って』
侯爵とアグネスが席を外した時だった。
デビュタントの翌日、俺は晩餐を侯爵から誘っていただいて、スローンの邸に夕方から招かれていた。
明日、アグネスはトルラキアに。
明後日はプレストンがシュルトザルツ帝国に戻る。
大学の途中で帰国したプレストンが、夜会後直ぐに戻るのはわかるが、冬休み中のアグネスが急いで戻るのは、少し納得出来ていなかった。
『高等部に進む準備に、時間をかけたいから』と、説明はされたけれど。
「おかしな行動、って何の話?」
「殿下にも話していないんでしょうか。
……一昨年の秋、ですが。
ふたりの命日に合わせて、私も妹も帰国しました」
……俺はアライアに頼んで、あれから毎年の命日には白百合と白薔薇を、各々に届けさせて貰っている。
切り出した。
『あの、おかしな行動の意味は何か、って』
侯爵とアグネスが席を外した時だった。
デビュタントの翌日、俺は晩餐を侯爵から誘っていただいて、スローンの邸に夕方から招かれていた。
明日、アグネスはトルラキアに。
明後日はプレストンがシュルトザルツ帝国に戻る。
大学の途中で帰国したプレストンが、夜会後直ぐに戻るのはわかるが、冬休み中のアグネスが急いで戻るのは、少し納得出来ていなかった。
『高等部に進む準備に、時間をかけたいから』と、説明はされたけれど。
「おかしな行動、って何の話?」
「殿下にも話していないんでしょうか。
……一昨年の秋、ですが。
ふたりの命日に合わせて、私も妹も帰国しました」
……俺はアライアに頼んで、あれから毎年の命日には白百合と白薔薇を、各々に届けさせて貰っている。