この胸が痛むのは
第90話
「かつての君は教え甲斐のある生徒だった。
知識欲が旺盛で、ちゃんと聞いてくれるから
話すのが楽しかった。
一度だけでも話をすると、それをよく覚えて
くれていたね?
死人還りの話なんて、そんなにしてはいなかったのに、よく覚えていたものだと、感心する」
葬儀に来てくれたリーエとアーグネシュ様がお話をしていたのは知っていました。
そこから私が死人還りを調べていたと、先生に
伝わったのでしょうか?
「だが今は頑なで、人の話を聞かなくなった」
突き放すような口調と、冷たい表情。
私は先生を、失望させてしまったのかもしれません。
「君は決して反論をしないが、自分の考えは曲げない。
……ずっと何故なんだと、思っていた。
今ならわかるよ、何故あんなにバージニア王女が君への苛立ちを見せたのか、わかるような気がする。
彼女は君には面と向かって罵ったけれど、
君以外の時には一言も、自分の口からは表立っては何も言わなかった。
それこそ、グレイシー嬢のような取り巻きに、自分の代わりに文句を言わせていた」
「……」
「君は人に罪悪感を抱かせる。
攻撃的な王女は王族の自分に、罪悪感を抱かせる君を潰したかったんだ。
現に僕も今、君に説教しながら、酷いことを
言っているようで申し訳なく思ってしまう。
こちらが理不尽な要求をして、傷付けている気になってしまうんだよ」
知識欲が旺盛で、ちゃんと聞いてくれるから
話すのが楽しかった。
一度だけでも話をすると、それをよく覚えて
くれていたね?
死人還りの話なんて、そんなにしてはいなかったのに、よく覚えていたものだと、感心する」
葬儀に来てくれたリーエとアーグネシュ様がお話をしていたのは知っていました。
そこから私が死人還りを調べていたと、先生に
伝わったのでしょうか?
「だが今は頑なで、人の話を聞かなくなった」
突き放すような口調と、冷たい表情。
私は先生を、失望させてしまったのかもしれません。
「君は決して反論をしないが、自分の考えは曲げない。
……ずっと何故なんだと、思っていた。
今ならわかるよ、何故あんなにバージニア王女が君への苛立ちを見せたのか、わかるような気がする。
彼女は君には面と向かって罵ったけれど、
君以外の時には一言も、自分の口からは表立っては何も言わなかった。
それこそ、グレイシー嬢のような取り巻きに、自分の代わりに文句を言わせていた」
「……」
「君は人に罪悪感を抱かせる。
攻撃的な王女は王族の自分に、罪悪感を抱かせる君を潰したかったんだ。
現に僕も今、君に説教しながら、酷いことを
言っているようで申し訳なく思ってしまう。
こちらが理不尽な要求をして、傷付けている気になってしまうんだよ」